ゲームに限らず、テレビにビデオにと昨今叫ばれるハイデフ(HD・高精細、高解像度)の波の勢いはすごいですね。私も数年前に民生用に始めて発売されたハイビジョンビデオカメラの画像のキレイさに衝撃を受け、数十万するそれを貯金叩いて買ったことを思い出します。何せゴミを撮ってもキレイ。そしてせっかくキレイに撮った映像をキレイに映すためにハイビジョンテレビを買い、地デジに合わせてレコーダーを買い、今はxbox360のHDDVD拡張キットを検討中・・・と、まんまと業界のハイデフ戦略に乗せられている自分がいるわけで(笑)。でも、それでも見てみたいんですよね、その先の解像感を。
これは一種のビョーキみたいなもので、コダワリだすとキリがない。複製芸術は全て現実よりも弱いものであったはずが、こと映像の高精細さに関しては、過剰なまでに現実に近づこうとしているように感じます。しかもマルチアングルマルチウインドの時代である現代においては、写実主義の果てのキュビズムの苦悩とも無縁なわけです。そこでは何事も隠しようが無く全てが見えてしまう。そして高精細を極めた映像は、その後すんなりとその3次元化に向かいそうな気がします。なんて偉そうな事をブツブツ言っていますが、実質的には最近のアニメのシネスコ化と高画質化がとっても嬉しいと、結局はそういうところです(爆)
さて、3次元化という話が出たところでやっとフィギュアの話に繋がるのですが、フィギュア業界も実はハイデフ化が急速に進んでいると言えるかもしれません。
各メーカーさんの切磋琢磨により、数年前では考えられなかったような高精細な量産品フィギュアが市場に出回るようになった昨今ですが、それではフィギュアはその後どの方向に向かうのでしょうか。最近流行りの着脱ギミックや、やわらか素材もそれに対する一つの模索といえるでしょう。そうしたある意味アナログ的な深化は、コミュニケーション的な要素も持ち合わせていると思いますが、広く考えるとこれも放送の世界の傾向とリンクする現象なのかもしれません。
あっためると透ける「メタモフィギュア(仮)」の第一弾 新世紀エヴァンゲリオンアスカ 左:常温(30度以下) 右:30度以上で色が変化 (一度暖めると、16度以下になるまで、スケた状態です) |
バンダイでも「フィギュア+音声」といった商品も展開していますが、我がベンダー事業部からも、また違った趣向のギミックを搭載したフィギュア商材を今冬に向け準備中です。その名も『メタモフィギュア(仮)』!すでに受注も開始していますのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、第一弾として新世紀エヴァンゲリオンのアスカを発売予定です。
『ハイデフ』だとか『コミュニケーション』だとか偉そうな前置きをしてしまいましたが、まあ端的にいいますと、これは『あっためると透けるフィギュア』です(爆)
『色の変わる塗料ってそういえば昔からあるよね』と、懐かしさを表明されるご意見も沢山戴いています。そう、よく温泉街とかでお土産で見かけたアレと、原理的には同じだったりします。ただ、インキメーカーさんの技術進歩は著しく、現在では変化させられる色も多種多様で(今回は黒とこげ茶色ですけど)、またココが凄いんですが、一度温めて変化させた色が、常温ではすぐに元に戻らず、一度16度くらいの低温に置くまでその状態をキープできるという「メモリー機能」が付いたものまで登場しているのです。
ある日、メーカーさんにそのメモリー機能のある塗料サンプルを見せていただいた瞬間、今回の企画は電撃的に決まりました(僕の頭の中で)。『ただ色が変わるだけじゃない、それを自由に操れる、そんなフィギュアがあったら良くね?』と。
図らずも希有馬屋さんなどからもご声援いただいているように、一見簡単そうなこの企画、実はそう簡単にはいきませんでした(笑)。そこからの企画開発の苦労はまあ追ってご紹介できればと思いますが、今回は特別に撮りおろした『実際のカラーチェンジの様子』を先だし公開!本当に撮りたてなので粗編集版でごめんなさい。また製作中のサンプルのため、実際の商品とは一部異なります。
ぜひ皆さんもこのフィギュアで何が出来るか、どんなコミュニケーションが可能か、今回は想像して楽しんでみてくださいね。そんな訳で、これまで飾るだけだったフィギュアも、5年後にはまた違った存在として私達のそばにあるかもしれません。自分もひとりのフィギュア企画者として、その方向性を模索していければなあと夢想しつつ、秋の夜長ひとりゲームをしながらの独り言でした。
バンダイ ベンダー事業部 担当T
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